災害写真5035枚を544枚まで絞る。NECの画像AIは「小さな被害」を探す

ノートとスマートフォン、ノートPCを置いた机のイメージ写真 生成AI
イメージ写真。記事で紹介する実機・画面ではありません。写真:Unsplash(配布ページ) / Unsplash License

この記事のポイント

  • 画像面積10%以下の小さな被害を詳しく説明するVLM技術を開発した
  • 5035枚を平均544枚へ絞り、確認時間を約7時間から1時間弱へ短縮した
  • 既存知識を保ちながら新しい被災事象を追加学習できる

2026年10月18日時点のNEC公式発表を整理した。画像はイメージ写真であり、検証に使った災害画像やAI画面ではない。

ノートとスマートフォン、ノートPCを置いた机のイメージ写真
イメージ写真。写真:Unsplash配布ページ(利用許諾)。

NECは10月14日、災害現場から集まる大量の画像を文章で検索し、小さく写った被害も見つけるVLM技術を発表した。VLMは画像と文章を結び付けて理解するAIで、東北大学岡谷研究室との共同研究である。

「土砂で塞がれた道路」のような文章で探し、人が最後に確認する写真を約9分の1へ減らす。AIが最終判断するのではなく、人が見る順序を早く絞る使い方だ。

画像の端に小さく写る被害を見る

従来のVLMは、対象が画像の30〜40%程度を占める場合は認識しやすい一方、10%以下の小さな部分を見逃すことがあった。新技術は対象領域の情報を特徴抽出へ反映し、10%以下でも従来の大きな対象と同等の精度で把握したという。

検索対象を5035枚から平均544枚へ

検証では、人の最終確認が必要な画像を5035枚から平均544枚へ絞った。特定状況の把握にかかる時間は、目視の約7時間から1時間弱へ短縮した。建物の部分損壊や道路のひび割れなどを探し、現地確認の優先順位を付ける用途を想定する。

追加学習で以前の知識を失いにくくする

新しい事象だけを学ばせると、AIが以前の知識を忘れることがある。NECは追加学習前のVLMが作った説明文も教材に混ぜ、新しい被害を覚えながら既存の認識精度低下を抑える。過去の大量データを毎回用意せず、地域特有の事象を追加できる。

実用化目標:NECは2027年度中の実用化を目指す。将来は地上写真に加え、光学衛星や合成開口レーダーの画像との組み合わせも検討する。

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