患者の“デジタル双子”で治験を変えられるか。Microsoftと製薬大手が検証へ

Windowsキーのあるキーボードのイメージ写真 生成AI
イメージ写真。記事で紹介する実機・画面ではありません。写真:Unsplash(配布ページ) / Unsplash License

この記事のポイント

  • ベーリンガーインゲルハイムとMicrosoftがデジタル患者ツインを共同研究する
  • 病気の進み方や治療結果を計算モデルで予測し、治験設計への利用可能性を調べる
  • 肺の健康分野から実現可能性を検証する段階で、診療に使える製品の発表ではない

2026年10月26日に両社の10月22日付発表を確認した。医療行為や研究システムの操作はしていない。画像は医療AI研究のイメージで、実際の患者データや画面ではない。

医療研究で計算モデルを使う場面のイメージ写真
医療AI研究のイメージ写真。実際の患者情報や研究画面ではない。写真:Unsplash配布ページ(利用許諾)。

製薬大手ベーリンガーインゲルハイムとMicrosoftは10月22日、臨床開発で「デジタル患者ツイン」を調べる戦略提携を発表した。これは個々の患者をコンピューター上で表現し、病気の進行や異なる条件での結果を予測するモデルである。

患者本人の完全なコピーを作る話ではなく、臨床データなどから治験の進み方を計算で検討する研究である。両社はまず肺の健康分野で、モデル作成、試作、根拠の収集を進める。

治験の対照群を補える可能性

新薬の効果を確かめる治験では、標準治療や偽薬を受ける対照群と比較することがある。共同研究では、既存データから作る合成対照群や、実際の参加者とデータを組み合わせるハイブリッド対照群を支えられるかも検討する。

精度と規制要件を満たせれば、対照群に必要な参加者を減らし、試験設計や証拠づくりを効率化できる可能性がある。ただし両社は「可能性」として説明しており、実際に人数を減らせると確定したわけではない。

診断AIとは役割が違う

この取り組みの対象は主に新薬開発と臨床研究である。日常診療で患者へ診断や治療方針を示すサービスとして発表されたものではない。科学的品質、患者安全、規制順守を維持すると明記されている。

固有の制限:患者データの種類、対象人数、性能指標、実用化時期は公表されていない。現時点では有効性が確立した医療技術として扱えない。

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