LiteLLM 1.107.0に情報窃取コード。削除だけでは復旧にならない理由

ノートとスマートフォン、ノートPCを置いた机のイメージ写真 セキュリティ
イメージ写真。記事で紹介する実機・画面ではありません。写真:Unsplash(配布ページ) / Unsplash License

この記事のポイント

  • LiteLLM 1.107.0のPyPIパッケージと公式コンテナに悪意あるコードが混入した
  • 対象環境ではLiteLLMを呼び出さなくても、Python起動時に情報窃取処理が動く可能性がある
  • パッケージ削除だけで終えず、環境再構築と到達可能だった認証情報の交換が必要である

2026年10月26日にLiteLLMの事故報告とMicrosoftの10月23日付分析を確認した。対象環境での調査・復旧操作はしていない。画像は開発環境のイメージで、実際の感染画面ではない。

ソフトウェアの供給網攻撃を調査する開発環境のイメージ写真
開発環境のイメージ写真。実際のLiteLLM感染画面ではない。写真:Unsplash配布ページ(利用許諾)。

複数の生成AIサービスを一つの窓口から呼び出すソフトウェアLiteLLMで、公式の配布経路が侵害された。10月21日に公開されたバージョン1.107.0と一部の公式コンテナには、認証情報を盗み、追加コードを読み込める悪意あるファイルが含まれていた。

GitHub上の同じ番号のソースタグは正常でも、PyPIやコンテナから受け取った完成品が汚染されていた。ソースだけ確認して安全だと判断できない供給網攻撃である。

対象だった配布物と時間帯

LiteLLMによると、PyPIの1.107.0は11時39分から13時23分(UTC)まで公開された。Docker HubとGHCRでは1.107.0に加え、latest、main-latest、main-stableの各タグも一時的に侵害された。対象物はすでに削除または安全な参照先へ戻されている。

悪意あるファイルはPythonの起動処理を利用したため、アプリがLiteLLMを明示的に読み込まなくても、該当環境でPythonを起動するだけで動く可能性があった。クラウド鍵、SSH情報、環境変数、ブラウザ情報、LiteLLMのデータベース情報などが対象になり得る。

確認と復旧の順序

該当時間帯に固定していないpipインストールを実行した、または対象コンテナを起動した場合は、影響を受けた前提で扱う。LiteLLMは疑わしい環境で最初にpipを動かさず、シェルから痕跡を確認するよう案内している。

推奨は仮想環境やコンテナを信頼できる元から作り直し、安全な版へ固定することだ。その後、その環境から読めたAI事業者のAPIキー、クラウド権限、データベース資格情報、環境変数の秘密を交換し、外部利用の記録を調べる。

対象固有の注意:痕跡ファイルが見つからなくても安全の証明にはならない。削除済みコンテナや一時領域の消去で証拠が消えることがあるため、該当版を実行した事実を基準に判断する。

出典・確認先

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